■第2次ベビーブーム世代はどんな親になるか?

 団塊世代がいかにファミリー市場の中核を担ってきたか、そしてそのファミリー市場が今後どう変化するかを、より詳しく見てみよう。
 1980年の「夫婦と子供からなる世帯」は1508万世帯、2000年は1492万世帯と微減であるが、それを世帯主年齢別 に見ると、1980年は35−39歳が273万世帯で最も多く、その前後の30−34歳が253万世帯、40−44歳が256万世帯、45−49歳が238万世帯。合計で1020万世帯と、前年例の3分の2を30−49歳が占めていた。当時団塊世代は30−34歳だったし、団塊世代の女性は35−39歳の男性と結婚している者も多かったので、30代の世帯だけで526万世帯もいたは団塊世代の人口の多さゆえだったと言える。
 これが2000年だと、30−49歳は728万世帯しかいない。30−39歳では331万世帯だから1980年の63%しかいないのだ。
 2000年でも最も世帯数が多いのは、50−54歳、つまり団塊世代が世帯主の世帯であり、235万世帯もいる。1980年の50−54歳は175万世帯しかいないから34%増だ。55−59歳も1980年は95万世帯だったが2000年は178万世帯に倍増だ。
 さらに45−49歳も210万世帯おり、45−54歳では445万世帯。30−39歳よりも34%多い。「夫婦と子供からなる世帯」が37歳くらいを中心とするものから50歳くらいを中心とするものに変化したのである。
 50歳前後の世帯が増えたのは、高学歴化も影響している。子供の多くが大学に進学するようになったので、なかなか親から独立しないのだ。そして話題のパラサイトシングル化も進んだ。就職しても親と同居したままの若者が増えた。団塊世代の人口の多さに加えて、高学歴化、パラサイト化が「夫婦と子供からなる世帯」を高齢化させたのだ。
 こうしてみると、子供の年齢が低い、いわゆる子育て期の世帯は、世帯数が6−7割に減ったのだから、放っておけば市場は縮小する。そこで必要となるが高付加価値戦略である。今までは1000円の子供服を買っていたところを、1500円のものを買ってもらうしかない。あるいは同じ5枚でも1000円を5枚ではなく、700円を4枚と4700円を1枚ならば総額は7500円ということになる。ユニクロと百貨店を使い分ける消費がそこに生まれる。実際量 販店での子供服の売上は減っているらしい。子供服でもせめてコムサくらいで買いたいという新人類世代の親心のためである。
 さて2010年になると、第2次ベビーブーム世代が35−39歳となるので、35−44歳の世帯が2000年の372万世帯から2010年は413万世帯に約1割増える。世帯は増えるが、これまで形成してきた高付加価値路線を維持できれば、売上もそのまま1割増えるであろう。もちろんさらなる高付加価値化を実現できれば、ますます売上の増加が期待できる。そのためにはこの世代の特徴の分析が今以上に重要になる。第2次ベビーブーム世代は比較的地味で堅実と言われる。そういう彼らが親となったときどういう物に金を出すのか。そこが重要だ。
 彼らは小学生時代から個室を与えられてきた世代であるから、部屋や家具への関心は高いであろうし、だからこそ昨今の家具、インテリアブームも多くを彼らが支えている。とすると、子供向けの洋服、おもちゃだけでなく、より空間全体を演出する商品が求められていくのではないだろうか。従来の婚礼家具売場ではないインテリア提案も必要であろう。

夫婦と子供からなる世帯の数の推移

1980
1990
2000
2010
総数
15,084,712
15,171,520
14,919,185
14,251,887
15〜19
1,772
2,606
4,278
1,996
20〜24
106,315
108,862
127,743
76,247
25〜29
984,218
640,268
714,555
500,093
30〜34
2,532,478
1,478,271
1,467,094
1,364,302
35〜39
2,728,614
2,199,546
1,840,292
2,034,733
40〜44
2,557,712
2,863,493
1,880,447
2,100,823
45〜49
2,381,943
2,556,046
2,095,756
1,851,965
50〜54
1,754,625
2,121,209
2,350,989
1,574,229
55〜59
953,469
1,583,621
1,779,798
1,523,784
60〜64
538,323
869,705
1,202,059
1,334,131
65〜69
317,559
383,592
743,290
782,044
70〜74
147,443
196,772
403,811
482,173
75〜
80,239
167,529
309,064
625,366

資料:総務省「国勢調査」